ハードウェアベンチャーの株式会社Shiftallでは社内のチャットやコミュニケーションをTypetalkに一本化しています。スピード重視のアジャイル生産を掲げる同社が、6年間利用していたチャットツールからTypetalkに切り替えた理由とは?切り替えのポイントとハードウェアベンチャーならではのTypetalkの活用例をお伺いしました。
Typetalk導入の目的 | スピード重視のアジャイル生産を採用する同社において空気のように違和感なくコミュニケーションができるチャットツールが必要だった |
課題 | すでに導入していたチャットツールは返信時のUIや検索性といった観点でスピーディなコミュニケーションに不十分だった |
効果 | 細かい部分での使いやすさが向上したことで、違和感のないスピーディなチームコミュニケーションを実現。TypetalkボットでIoTによる作業の自動化も実現 |
業種 | ハードウェア開発・製造・販売 |
アカウント数 | 28アカウント *2018年6月時点 |
Typetalkを利用している職種 | 全社利用 |
利用しているヌーラボサービス | Typetalk |
目次
アジャイル生産を売りにするハードウェアベンチャーのShiftall
―Shiftallの事業概要についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
株式会社Shiftallは、2018年4月に設立されたハードウェアのアジャイル生産を手がけるベンチャー企業です。IoTスタートアップのCerevoを立ち上げた代表の岩佐が代表を務めており、メンバーも元Cerevoの社員です。Cerevoの子会社として設立したのちに全株式をパナソニックに譲渡しているので、実質はパナソニックの子会社です。
事業内容はハードウェアの開発、製造、販売です。会社ができたばかりのため開発も立ち上がったばかりですが、自社製品の開発やパナソニックと合同で開発している製品もあります。社員数は27人ほどで、ほとんどがエンジニアです。
―設立からまだ日が浅いですが、どのような組織体制で製品開発を進めているのでしょうか?
だいたい1つの製品につき、4名から5名の少人数体制で開発を進めています。
主な内訳としてはデザイナーが1名から2名(機構設計と意匠設計)、電気基板の設計などハード面のエンジニアが1名、Linuxなどの組み込みソフトウェア設計のエンジニアが1名、アプリケーション側の開発をしているエンジニアが1名、という内訳です。
―まさに少数精鋭のチームですね。
ソフトウェアと違ってハードウェアの開発はチームメンバーの一人ひとりの職能がまったく異なります。フルスタックという職能が難しいため、チームで密にコミュニケーションをとる必要があります。
代表の岩佐が好んで使う言葉に「スタートアップにとって大事なものは何よりもスピード」とあるのですが、弊社はとにかくスピード重視で開発を進めており、チームを大きくするよりも、小さいチームで各々が決定権を持って動けるようにしています。
―Shiftallはハードウェアの「アジャイル生産」を売りにしているそうですが、スピードを重視する企業文化はアジャイル的な思想にぴったりですね。
そうですね。ハードウェアは市場に出さないとわからない部分が多いので、私たちはスピード最優先で開発を進めています。
ハードウェアとして最低限クリアしなければならない必須要件を満たしたら、100点満点中70点でも良いので市場に出してユーザーの反応を見るという意気込みです。後からアップデートできる設計にしておき、リリース後にユーザーから評価してもらいながら、製品を70点から100点に改善していきます。
開発プロセスや手法そのものが重視されるアジャイル開発と、開発プロセスだけでなく市場に出すところまで包括しているアジャイル生産は、意味合いが異なりますが、未完成でもとにかく素早く市場に出して改善していくという考え方はアジャイルに通じていますね。
スピード重視な企業文化だからこそ日常的に使うチャットツールは使い勝手の良さが重要
―Shiftallの公式ブログでも紹介してくれましたが、Typetalkは他のチャットツールと比較検討した上での導入だったそうですね。
はい。「Shiftallが社内共有に選んだチャットサービス」というテーマで複数のチャットツールとTypetalkを比較した記事を書きました。
先ほどお伝えしたように、私たちが掲げているアジャイル生産はとにかくスピードを重視しています。メンバーの一人ひとりの職能が異なるので、お互いの作業をすり合わせるために密に連携しつつ、効率的なコミュニケーションを常に求めています。
―効率的なコミュニケーションを実現するためにチャットツールをどう使われていますか?
まず全社的にログを残すことに取り組んでいます。仕事に関する情報共有はチャットツールを使うようにしています。
日常的にチャットツールに触れているからこそ、齟齬のない、円滑なコミュニケーションを実現できるチャットツールを常に探求しています。
―以前のチャットツールからTypetalkに切り替えた理由と経緯について教えていただけますか?
組織が切り替わるタイミングで、6年間継続利用していたチャットツールからTypetalkに切り替えました。
切り替えの一番の理由は、細かい部分での使い勝手ですね。
以前使用していたチャットツールは、細かいところでの使い勝手が満足いくものではなく、日常的に使うツールとしては物足りなさを感じていました。例えば、@ユーザーIDの指定、検索の対象範囲や精度などです。
他のチャットツールも比較検討しましたが、返信時のインターフェースの見やすさが不十分だったので、導入を断念しました。
―具体的にTypetalkがそれらの使い勝手の問題をどうクリアしているかお伺いしてよろしいでしょうか?
大きく3つあります。
1つ目は「会話の見やすさ」です。Typetalkはメッセージに対して返信をすると、タイムラインに一続きに会話が表示されますよね。このフラットなデザインが、情報の見やすさとキャッチアップのしやすさに影響していると思います。
比較検討していたチャットツールのなかには、返信時のUIがスレッド型で、会話内容が格納されてしまうものがありました。この形式だと、通知に気が付けなかったり、話の文脈共有ができなかったり、コミュニケーションが断絶されてしまいチームの動きや雰囲気に良くない影響がありました。そのため、Typetalkのような返信がわかりやすいUIであったことは重要な判断材料でした。
2つ目は「検索性」です。Typetalkは検索結果に制限がない*ですよね。検索精度も高く、ぶれがない点も高評価でした。
6年間利用していたチャットツールは検索範囲が限られており、過去の作業内容やファイルを読み返すのがとても大変だったんです。弊社にとって、チャットツールは組織のナレッジが膨大に蓄積される場所なので、後から参照できるかどうかも重要なポイントだったんです。
*フリープランの場合は10,000件まで
3つ目は「返信時のユーザーIDの指定」です。Typetalkは「@ユーザーID」で返信相手を即座に指定できるので、わざわざリストのなかからユーザーを探す手間が省けるのも助かっています。
―なるほど。3つとも必要な情報をすぐに参照できるという部分に共通点がありそうですね。
そうですね。判断要素の1つ1つは他のチャットサービスにもありましたが、これら3つをすべて満たしているという点でTypetalkが優れていたと感じます。
「会話の見やすさ」で具体例をあげましたが、 Typetalkはトピックごとに会話が分かれつつも、会話内容が組織全体にオープンにされていますし、情報の透明性が高いツールだと感じています。
Typetalkボットのフル活用でIoTによる作業の効率化を実現
―ベンチャーならではのコミュニケーションの考え方をじっくり聞かせていただきました。ちょっと話題を変えて、ハードウェアベンチャーならではのTypetalk活用例もお伺いしたいのですが…。
それでいうとTypetalkボットを活用しています。具体的な利用シーンでいうと、Typetalkボットと物理スイッチを連動させて、ゴミ出し担当者の決定をIoT化しています。
―写真映えするスイッチですね!どういう風に動作するんですか?
ゴミ箱付近にこの物理スイッチが置かれています。ゴミ出しが必要だと気がついたひとがこのスイッチを押すと、Typetalkの「ゴミ出しボット」がランダムでゴミ出し担当者を指定する仕組みになっています。
―おもしろい!他にもなにかIoT化していますか?
出退勤処理のIoT化も進めています。具体的に、出退勤時に社員の名前が記入された物理のネームプレートをひっくり返すと、Typetalkの出退勤トピックに自動で通知されて出退勤時刻が記録される、という仕組みです。
IoT以外には、Webhookを使ってドキュメント管理のKibelaで更新があった時に通知をするボットを作っています。
―さすがです…!最後に、アジャイル生産を目指すハードウェアベンチャーのShiftallにとってTypetalkとは?
私たちが掲げるアジャイル生産のプロセスは、仕様を決める、プロトタイプを作る、まではソフトウェア開発のプロセスと重なりますが、その先の量産に向けた試作を作る、リリース後の製品展開する、はハードウェアならではの工程です。
少人数で製品の開発サイクルを素早く回すことを念頭に置いている私たちにとって、違和感なく空気のようにコミュニケーションができるTypetalkはまさに最適なディスカッションツールだと思います。
―貴重なお話をありがとうございました!